世界中の笑顔のために・・・人道支援に関わる日々を忘れないでいたい。そして伝えたい。想いのまま綴った日記です。


by emiemi0407
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世界一穏やかな人々が住む国で思うこと。

久しぶりの投稿。
「なんでブログ書かないの?」と日本に戻ってから言われることが多かった。
私のブログはもともと遠くに住む日本の友人たちに非日常的な話題を伝えることが目的で始めたので
日本にいてそうそう非日常的なことが起こらないということもありほとんど書くことがなくなった。
別に私が朝起きて一日何をして夜無事に寝ていることを知りたいひとはいないだろう・・・
あともう一つは読者がそばにいすぎて、なんか照れくさい、というのもあるのかも。
近所のおばさま・おじさままで広がっている読者の輪は、インターネットを使わない母が知らないことを
なぜか近所のおばさまが知っている、ということになったりしてややこしい、というか恥ずかしい(笑)
まあ恥ずかしいようなことを書かなければいいのだけど、
ブログにはエンターテイメント性が必要だと思うので・・・

その代り、ツイッタ―でくだらないことをつぶやいてはいるけれど
なんかいろいろと思うところがあって久しぶりにペンを取る。(タイプする、か。)

現在私は大好きだったザンビアのお隣の国、マ国にいる。
この国はザンビアとは兄弟みたいな国で、話すことばもほとんど一緒(多少違う)で、
文化も人の顔も似ている。
ザンビアも十分田舎な国だったけどこの国はもっと田舎だ。
首都でさえなんか「すかすか」な国。
物価もザンビアよりずっと高い。
気候はザンビアの常春と一緒で年間通して暑くなりすぎることも寒くなりすぎることもなく、過ごしやすい。
今は雨季の終わりの時期で冬に突入しようとしているところだけど
雨は全く降らず、毎日快晴、快適な日が続いている。

この国にくるのはなんと今度で4回目にもなる。
最初に来た時はこんなに頻繁にくることになるとは思わなかった。
そもそも転職したときに出張があるということは期待していなかった。
日本にいたくて転職したわけで、海外に出て働こうという気はそもそもなかったので・・・
しかしちょうど去年の今頃の出張に始まり、順調に4回もこの国に足を踏み入れることになった。
何にもない国だけど、私はこの国の人々の人柄を気候のよさを愛しているので、
とくに苦ではない。

さて、出張では何をしているのか、というと、適切な言葉は「ニーズアセスメント」だと思う。
ヘビーなブログ読者はよくわかってくれていると思うけれど、
つまり現地にとって何が必要なのか、プロジェクトの必要性を確認するためである。
本来の業務とは逸脱しているかもしれないけれどいわゆる「コンサルタント」的なことをしている。
やっていることは人に会い、今後の計画を立てる、ということ。
いつもは首都のみに滞在し、大臣やら次官やらお偉いさんたちに会うことが中心だったけれど
今回は次官のおすすめ、アレンジで、実際にプロジェクトが実施される地域へと足を運んだ。
1泊2日、強硬な旅ではああったし、いろいろなトラブルもあったけど、
行ってよかったと思う。
それは私の中に眠る「現地の人と一緒に、彼らの力を最大限に活かすお手伝いをする」というミッションに
近付けたからだ。
NGOで仕事をしていると、これがまさに仕事の根幹なのだけど
今の仕事ではもっと政府の顔色をうかがって、必要なことだけを実施して、
最小限のインプットでうまく立ち回ることが要求される。
もちろん、そういう仕事なんだから、と納得しつつも物足りなさを感じていた私にとって
実際に資金の受け手である人、いわゆる「受益者」に出会い、
彼らとふれあい、その必要性を確認することは大事な作業のひとつだった。

久しぶりに忘れていた感動を思い出させてくれたこの旅に感謝している。
なぜこんな気持ちになるのかというと南部スーダンでの仕事のことを思い出さずにはいられないからである。
援助慣れしてしまっている帰還民の人々は、何をしても何をいっても、それを「当り前」としかとらえない。
そして何かをすると必ずその見返りを求められる。
コミュニティと協力して、と言い続けているがそれがいかに大変なことか、は南部スーダンの事業を経験した人ならよくわかると思う。
しかしこのマ国はそうではない。
コミュニティの人々自らが動き、共同作業をすることを全くいとわない人々だ。
もしかしたらこの国がここまでなるには今までこの国で支援をしてきた人たちの努力があるのかもしれない。
でもこの当たり前のようで当たり前じゃない「自分たちの国のことなんだから自分たちでなんとかしよう」という
その気持ちが、ああ、この国は自分たちなりに向上し続けることができる国なんだ、と思わせる。

マ国の人々は日本人に近い「遠慮」という言葉を知っている人たちである。
むしろ遠慮の塊なんじゃないか?と思うときもある。
これは私が経験してきた他のアフリカの国とはちょっと違うと感じさせる。
もらえるものはもらっておく、それがアフリカの共通概念だと思っていたけど、そうでもないらしい。
「何か欲しいものはないですか?」という話で、一億二億の話をしているのに、
結局時間をかけて出てきた希望は百万円程度の購入リストだったりする。
「これさえあれば自分たちのやりたいことがすべて実現できるんです」
と目を輝かせて言う人たちを目の前にして心がスカッとした気がした。
「もっといろいろ要求していんだよ?」というと
「あんまりずうずうしいと思われたくないし、なんでもくれるって言われてもそんなこと初めてでどうしていいかわからないよ」と困ったように言う。
なんて謙虚な人たちなんだ・・・とほっこりした気持ちになった。

マ国の人たちはみんな互いが笑顔で挨拶をし合い、「ありがとう」と言い合う。
道行く見知らぬ人であってもそれは変わらない。
いつもニコニコしていて本当にかわいらしい。
「なんでそんなにみんな幸せそうなの?」と聞くと
「私たちには悩むようなことないから」と言ってのける。

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ある村で女性の村長さんに出会った。
「あなたが村長さんになったきっかけを教えてください」と聞くと、
「村のだれしもが私がリーダーにふさわしいと考え、私自身もそれができるのは自分だけだと思うからです」
と答えた。
笑顔が素敵な小さなおばちゃんからマリーアントワネットの「私はどんなことがあっても優雅であり続けるフランス王妃です」に近いセリフが出てくるなんて思わなかった。
勝手に私は彼女のことをマリーと名づけてみた。(ちなみに写真がマリー)

首都に戻っても停電はしょっちゅうあるし、
むしろ電気のない生活をしている人が大半であるこの国。
でも別に人々はそれで毎日頭を悩ませることはない。
日常は日常として受け入れ、それに合わせて生活をする。
毎日一時間以上歩いて通勤する人もたくさんいる。
そこで彼らが言うのは「こうするしかないから。」と。
確かにそうなんだ。
他に選択肢がないということはひとつしかない事実を受け入れて生きていくことしかない。
上を一度見ると下に戻ることはできない。
一度「便利さ」を知るとそれを捨てることはできない。
これは人間の性なのかもしれないけれど、マ国の人々は、日本人が忘れてしまった大切な何か、を
教えてくれたような気がする。
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by emiemi0407 | 2011-04-17 17:27 | 旅の話